検証レポート  坂下厚生総合病院

人工膝関節置換術(TKA)における
アイシングシステムの効果的運用方法

術後の継続的なクライオセラピーが有効
腫脹や疼痛を緩和することで、入院期間の短縮にも貢献

坂下厚生総合病院は人工膝関節置換術(TKA)において、全国でも高い実績を誇る医療機関です。同院で副院長を務める菊地忠志医師は、これまで6,000件以上にも及ぶ臨床実績から「術後のクライオセラピーが治療に有効」と提唱されています。当サイトではそのクライオセラピーの具体的な施術方法や効果についてご紹介します。

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クライオセラピーの有効性

変形性膝関節症や関節リウマチといった疾患は、患者様の活動や生活の質を著しく低下させるため、坂下厚生総合病院では症状に応じて人工膝関節置換術(以下TKA)を実施しています。その手技レベル・件数は国内トップクラスで、手術件数は年間約700件にものぼります。
同院で副院長を務める菊地医師は、十数年前から積極的にTKAを手掛けられており、TKA後のスムーズな機能回復のために術後早期のクライオセラピーの重要性を提唱されています。クライオセラピーとは「冷却療法」のことで、術後に幹部を持続的に冷却することで疼痛の緩和、浮腫、血種などの腫脹および炎症の抑制などの効果が期待されます。
菊地医師はこの有効性に着目し、これまでの臨床実績から幹部の適切な冷却方法や時間、設定温度などを工夫されてきました。この効果的なクライオセラピーを実践するにあたり、活用されているのが当社の「アイシングシステム」です。
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「アイシングシステム」を効果的に活用

術後2日間、患部を確実に冷やし続けることで患部の腫脹や疼痛が大幅に緩和されます。そのためには、設定した温度を保ち患部を持続的に冷却することのできる装置が有効とのことで、古くからアイシングシステムを使用しています。健常部まで冷やしてしまうと患者様の苦痛になってしまうため、菊地医師は試行錯誤しながら患部にあてるパッドの効果的な装着方法も考案されました。
現在、同院では従来のアイシングシステムに加え、新製品「アイシングシステムCE4000」も導入されており、合計10台の機器が稼働しています。(2015年5月現在)
術後2日目、継続冷却終了時、腫れは最小限に抑えられている。(ドレーンなし)画像

効果的なクライオセラピーの施術方法

クライオセラピーの効果を最大限に発揮するには、患部を的確に持続して冷却する必要があります。また冷却中、患者様が苦痛を感じないよう、健常部が冷えないように注意します。なお、同院では術後2日間アイシングシステムを使用した持続的な冷却を実施し、3日目からはリハビリテーションを開始して冷却が必要な場合は保冷剤を使用しています。病棟には保冷剤を保管する冷凍庫が3台完備されており、患者様自身で保冷剤の交換ができるようになっています。

アイシングシステム冷却パッドの装着手順

1,術後、縫合が完了した時点で創部直上にのみガーゼをあてます。 2,結露や寒冷刺激による不快感を軽減するため、パッドが直接肌に触れないよう患部を包むようにガーゼをあてます。 3,健常部が冷えないように綿包帯を患部の上下にあてます。 4,冷却パッドに結露防止用のパッドカバーをかぶせます。 5,パッドカバーをかぶせた冷却パッドをガーゼの上から患部に巻きます。このときホース部分は遠位にもっていきます。 6,冷却パッドが患部に密着するように弾力包帯を巻いていきます。2日間継続して冷却することを考慮し、ずれない程度に固定します。 7,あらかじめ病棟(ICU)にてアイシングシステム本体を起動しておき、患者様がベッドに移動したら冷却パッドとホースを接続します。
設定温度と冷却期間

冷却温度は5℃に設定。術後2日間、継続してクライオセラピーを行います。なお、室温25℃、冷却温度5℃でアイシングシステムを使用する場合、約20分で設定温度に到達します。

術後3日目からリハビリテーションを開始、入院期間は約2週間

同院の患者様はアイシングシステムを使用し術後に生じる腫脹や疼痛を抑制しているため、術後3日目から自己リハビリテーションとしてROM訓練や歩行器を使用しての歩行練習を開始しています。また、リハビリテーション後に生じる熱感などには、保冷材を使用して冷却を継続しています。クライオセラピーの効果もあり患者様もスムーズに積極的にリハビリテーションに取り組むことができるので、入院期間は以前の約4週間から約2週間に短縮されました。

院内で使用している保冷剤画像

人工膝置換術後の流れ

坂下厚生総合病院での人工膝関節置換術後の流れ

人工膝関節置換術後の流れイラスト

※(1) 設定温度:5℃
※(2) SLR:Straight Leg Raising(下肢伸展挙上)
    アイシングシステムを装着した状態で実施する。
※(3) 自宅に帰ってからも自分でリハビリテーションを継続できるよう、入院期間中から自己リハビリテーションを指導している。
    CPMは使用していない。

下肢の骨折時にもクライオセラピーが有効

整形外科菊地 忠志先生画像

坂下厚生総合病院
整形外科 菊地 忠志先生

当院では、主に人工膝関節置換術の患者様にアイシングシステムを使用しています。術後の疼痛が緩和されることから、鎮痛薬の投与も減りました。患者様は、術後スムーズにリハビリテーションを開始できるので機能改善も早く入院期間の短縮にも貢献しております。

その他の使用症例としては、骨折(特に足関節)の手術前後に積極的に使用しております。骨折の手術では血腫や軟部組織のダメージにより手術前に患部が大きく腫れてしまいます。アイシングシステムを使用し患部を持続的に冷却することで、患部の腫脹を抑え手術をスムーズに行うことができます。術後も人工膝関節置換術同様に早期から冷却することで、腫脹の抑制、疼痛の緩和に効果を発揮しております。

アンクルパッドを使用した足関節への固定例画像

軽量・小型化、結露改善により業務が軽減

整形外科菊地 忠志先生画像

坂下厚生総合病院
整形外科病棟 看護師 大竹 和江さん

当院では1日約3件の人工膝関節置換術が行われているので、ほぼ毎日アイシングシステムを使用しています。パッドは術後に医師が装着しますので、看護師は速やかにクライオセラピーが行えるよう事前にアイシングシステムの本体を起動させておきます。患者様がICUに搬送されたら、看護師が冷却パッドとホースをつなぎクライオセラピーを開始します。患者様は術後1日間ICUで過ごされ、2日目にアイシングシステムを装着したまま一般病棟に移られます。

アイシングシステムCE4000は軽量・小型化されたので、持ち運びの手間が非常に軽減されました。またベッドのサイドレールに本体が掛けられるので、コンパクトに設置できます。温度調節をするときも操作がしやすくなりました。ホース接続部の形状も改良されたため、本体や冷却パッドとの接続もスムーズになったように思います。最も改善された点は、従来品で度々発生していたホースや接続部分の結露が抑えられたこと。付着した結露の拭き取り、ホースカバーの上に巻き付けたタオルの交換、濡れた布団の取り替えといった作業が大幅に軽減されました。

アイシングシステムを装着されている2日間、患者様が患部に強い痛みを訴えることはほとんどありません。まれに寒冷刺激に敏感な患者様が冷たさを訴えることもありますが、その際は医師の指示に従って温度を調整しています。リハビリテーションが始まると保冷剤によるクライオセラピーに移行しますが、引き続きアイシングシステムの使用を要望される患者様もいらっしゃいます。患者様もアイシングシステムの冷却効果を実感されているようです。

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