腰痛時の過ごし方・注意点
目次
腰痛は日本の国民病
日本国内における腰痛の患者数は40歳以上の約2800万人と推定されており、「国民病」ともいわれています。
ここでは腰痛になってしまう原因や予防法、腰痛になってしまったときの対応など、腰痛に関わる情報を分かりやすくまとめております。
PDF版の資料もございますので、ぜひご活用ください。
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腰痛になってしまったら!
監修:夏山 元伸 先生
PDF
(島脳神経外科整形外科医院 内視鏡・腰痛センター長)
腰痛の原因
腰痛と言ってもそれは、「腰が痛い」と症状を表しているだけです。安静にしていれば痛まない腰痛、動いている方が気にならない腰痛、突然襲ってくる腰痛、いつでもズキズキ痛む腰痛など、腰痛にも様々な種類があります。また、いったん治まったと思っても、その痛みはいつぶりかえすかわかりません。
そして、原因も色々。筋肉の疲労、骨の変形、先天性、運動不足からくる筋肉の衰え、内臓疾患など限りなくあります。しかし、骨や筋肉など、整形外科的な要因から生じる腰痛は、生活の中での正しい対処の仕方で予防できたり、腰痛になった時でも軽くすることができます。
腰痛になりやすい人の共通点
腰の痛みの原因は様々ですが、腰痛になりやすい人には共通の傾向があるようです。
立ったままその場での作業は、筋肉疲労と不良姿勢(腰の反り返り)によって椎間板にかなり負担がかかるために腰痛になりやすく、またずっと座っている姿勢も、立っている状態より椎間板にかかる負担は大きく、不良な姿勢から腰痛になりやすいといえます。
心当たりがあれば予防を心がけましょう。日頃の心がけは腰痛予防のポイントです。
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同じ姿勢を長時間
続けている。 -
運動不足で足腰の筋力が
低下している。 -
重労働や運動のし過ぎで、
筋肉疲労がある。 -
きつい下着をつけて
血行が
悪くなり、
筋力が低下する。 -
体がかたい人は
筋肉が
緊張しやすい
傾向があるので、
血行が悪くなりやすい。 -
神経質な人は
痛みを感じやすい。 -
布団やマットがやわらかいと、
腰の部分が沈み、
腰に負担がかかる。 -
冷えると血行が悪くなり、
腰痛を招きやすい。
腰痛にならない生活ポイント
腰痛になる主な原因は、前屈姿勢(前かがみ)での動作です。
日頃から腰が前曲がりカーブを描くような姿勢を避けることが腰痛予防のポイントです。
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荷物を持ち上げる際は、
下半身を使って前かがみで荷物を持たず、ひざを曲げ
腰を伸ばした姿勢で下半身の力を
使って持ち上げましょう。 -
長い立ち仕事は、
台に片足を乗せて片足を台に乗せることで、
前屈姿勢になることを防ぎ、
腰への負担を少なくできます。 -
長時間のデスクワークは
足を組んで腰が前に傾くのを防ぐ姿勢です。
左右の足を交互に
組み替えて座りましょう。 -
運転はシートを立てて、
1時間ごとに車外で運動をシートを立てることで
腰をまっすぐな姿勢に保ちます。 -
ハイヒールは
3cm以内高いハイヒールは腰を前に
傾けてしまい、腰痛を悪化させる
おそれがあります。 -
中腰は禁物
前かがみの姿勢は、腰に負担が
かかります。なるべく腰を
まっすぐに保ちましょう。
腰痛になってしまったら
日頃から腰痛にならないようどんなに心がけていても、腰痛に襲われてしまうことはあります。
どんな腰痛でも、まずは痛みの少ない姿勢で安静にすることが大切です。
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腰をくの字にして、
横向きに寝る。 -
お腹の下に座布団を入れて
うつぶせに寝る。 -
足の下に座布団を入れて
あおむけに寝る。
急性の場合
ぎっくり腰など急に生じた腰痛は、冷やすことで痛みを和らげることができます。
ただし、痛みが増すような場合は中止してください。また、長時間の冷やし過ぎは回復を遅らせるおそれがあるので、注意してください。
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氷と水で
ビニール袋に氷と
塩をひとつまみ入れ、
タオルにはさんで腰に当てる。 -
市販のアイスパックなどで
タオルをはさんでから
腰に当てる。
慢性の場合
ジワジワとくる痛みには温める徐々に痛くなってくる慢性の腰痛や、急性の腰痛の痛みが軽くなった場合などは、温めると効果的です。ただし、患部に打撲や外傷があったり、または熱を持っている時は、温めないでください。
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ホットパックで
ホットパックを
厚いタオルで包んで当てる。 -
蒸しタオルで
お湯や電子レンジで
作った蒸しタオルを当てる。
マッサージで筋肉をほぐす腰の筋肉をリラックスさせ、血行をよくするマッサージも慢性の腰痛には効果的です。しかし、急性の腰痛には行わないでください。
腰痛は原因や症状によって対処の仕方も異なります。また、腰痛が深刻な病気のシグナルかもしれません。
悪化させないためにも、お医者様に診てもらうことが大切です。
腰痛の専門的治療
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薬物療法
●消炎鎮痛剤/痛みを止めます。●筋弛緩剤/筋の緊張をほぐして痛みを軽くします。●ビタミン剤/神経の損傷を回復させるための薬です。●精神安定剤/腰痛によるイライラが筋を緊張させ、さらに痛くなるのを防ぎます。●骨粗鬆症治療薬/骨量が少なくなる骨粗鬆症が原因の場合に使います。
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手術療法
手術で痛みの原因を取り除きます。最近は内視鏡を使って約16ミリの小さな創で手術ができ、翌日から歩くことができます。
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牽引療法
下半身を引っ張って、腰を伸ばします。
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レーザー治療
椎間板ヘルニアの治療法で、患部にレーザーを当て、痛みの元となっている神経の圧迫を軽くします。
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温熱療法
患部を温めて血行をよくし、痛みを和らげます。
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体操療法
腰を支える筋肉を強くします。自宅でもできる腰痛体操を本ページでもご紹介しております。
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ブロック療法
局所麻酔剤を注射し、痛みを伝える神経の動きを止めます。
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装具療法
コルセットや腰部固定帯で腰の負担を軽くします。
腰痛を予防する腰痛体操
腰痛を予防する腰痛体操
筋肉を鍛える運動
■腹筋強化運動腹筋を強くする運動(10回ずつ)
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1あおむけで、ひざを軽く曲げ、
腕は体の横におきます。 -
2イチッ、ニッ、サンッと肩が床から10cmのところまで上体を起こし、5秒間そのまま保ちます。
■骨盤傾斜運動腰の反りを減らす運動(10回ずつ)
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1あおむけで、軽くひざを曲げ、
背中が床につくように押しつけます。 -
2次に、肛門をギュッとつぼめるようにし、
おしりを少し浮かせて、5秒間止めます。
■下部背筋伸長運動腰の筋肉を伸ばす運動(10回ずつ)
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1あおむけて、ひざを軽く曲げます。
イチッ、ニッとひざを曲げ、両手でかかえます。 -
2サンッ、シッとひざを胸につけ、5秒間止めます。
ストレッチ体操
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■腰のストレッチング
上体はあおむけのままで、
腰から下をひねります。 -
■腰のストレッチング長時間立っていたり座っていたりする仕事の方は、
一定時間経過したら図のようなストレッチをしましょう。-
腰を反らします。
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腰をまわします。
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■背筋のストレッチング
あおむけに寝てひざを抱えます。
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■もものストレッチング
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(もも前)
片ひざは立て、
片ひざは後ろについて、
腰をゆっくり沈めます。 -
(もも裏)
片足ずつ台の上にのせて、
上体を前に倒します。
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■背中を伸ばすストレッチング
背中の下にクッションを入れ、腰を反らせます。
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■背骨の前屈/後屈ストレッチング
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おへそを覗くように
腰を丸めます。 -
胸を張るように
腰を反らせます。
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痛みへの不安を解消する
腰部固定帯
腰が痛い時は安静が一番ですが、日常生活を休むことはなかなか難しいことです。
そこで腰をサポートし、周辺の筋肉などを安静にしている状態にするのが腰部固定帯です。
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■腹腔圧上昇効果腹部に適度な圧迫力を与えることで、
腹腔圧を上昇させ、
腰椎への負担を軽減します。 -
■姿勢制御効果背中側を固定することで反り過ぎを抑え、
腰への負担を軽くします。 -
■保温効果腰を温めて筋の緊張を解きほぐし、
リラックスさせます。