ヘバーデン結節と診断された
あなたヘ

指先の痛みや腫れで日常生活に支障が出ることもあるヘバーデン結節ですが、症状を和らげ、生活の快適さを取り戻すためのさまざまな治療法があります。無理にがまんしたり、年齢のせいとあきらめたりする必要はありません。運動療法、装具療法、薬や手術による治療など、あなたの症状や状況に合った方法を選ぶことで、日々の負担を軽くすることが期待できます。どのような治療法があるのかを知り、次の一歩を踏み出してみませんか。

ヘバーデン結節の悩みを
抱える方の声

  • 家事が思うようにできず困っています

    家事が思うようにできず困っています

    ヘバーデン結節で指先に力が入らず、お皿を洗うのも怖くて仕方ありません。医師から『テーピングで関節を保護しましょう』と勧められましたが、水仕事のたびにまき直さなければならず憂うつです。

  • 痛み止めだけでは限界を感じています

    痛み止めだけでは限界を感じています

    診断から2年が経ちますが、痛み止めの薬だけでは痛みが完全に取れず、家事をするのもつらい状況が続いています。医師には「様子を見ましょう」と言われるだけで、積極的な治療法を提案してもらえません。何か他にできることはないのかと毎日考えています。

  • 人前で手を見せるのが恥ずかしく隠してしまいます

    人前で手を見せるのが恥ずかしく隠してしまいます

    ヘバーデン結節で指の関節が少し膨らみ曲がってきているような気もします。買い物でお金を渡すときや友人との食事のときなどに、手を見られることが恥ずかしく、外出もおっくうになりがちです。

治療中でも続く指先の痛みや腫れ、つらく感じていませんか?

ヘバーデン結節は、手指の第一関節に起こる「変形性関節症」と呼ばれる病気の一種で、痛み、腫れ、変形に加え、関節の動きが制限されることが主な症状です。第一関節にミューカスシストと呼ばれるのう腫(小さな水ぶくれのようなもの)ができることもあります。特に40代以降の女性に多く見られ、加齢や遺伝的要因、指先の使い方などに加え、更年期の女性ホルモン(エストロゲン)の減少が関わっていると考えられています。

痛みや腫れがなかなか改善しなかったり、日によって症状が強くなったりすることがあるかもしれません。料理や掃除、文字を書くといった日常動作が困難で、生活の質が大きく下がってしまうこともあるでしょう。最初は軽い症状でも、放置すると痛みが長引いたり、関節の変形が進んでしまうこともあります。

でも、今の症状を無理にがまんしたり、年齢のせいだから仕方ないとあきらめたりする必要はありません。ヘバーデン結節には、「運動療法」「装具療法」「薬物療法」、さらに、症状が強い方や見た目を気にされる方には「手術療法」と、さまざまな治療の選択肢があります。これらを適切に選択することで、症状を軽くしたり、進行を遅らせたりすることもできます。困ったときは整形外科医や手外科(てのげか)専門医に相談して、適切な治療を受けることをおすすめします。

ヘバーデン結節の
原因と悪化について

ヘバーデン結節とメノポハンド※1

更年期に差し掛かる40代から60代の女性に多く見られる手指の痛みやこわばり、変形といった不調は「メノポハンド」と呼ばれ、最近ではテレビやSNSなどでも注目されています。メノポハンドの原因の一つといわれているのがエストロゲンの減少です。そのため、メノポハンドは更年期女性に起こりやすいのですが、妊娠・出産期の女性でも起こることがあります。ヘバーデン結節はメノポハンドの症状の一つとして起こることがあるとされています。

※1「更年期の手」を意味する「メノポーザルハンド」を略した言葉。閉経前後の40代から60代の女性に多い手指の痛みや変形、しびれなどの症状

ヘバーデン結節の原因

ヘバーデン結節のはっきりとした原因はまだ完全に分かっていませんが、「加齢」「エストロゲンの減少」「遺伝的要因」「指先の使いすぎ」「過去の指のケガ」など、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。

ヘバーデン結節の原因

ヘバーデン結節が
悪化する理由とは

ヘバーデン結節の症状が悪くなる一番の理由は、指に負担をかけすぎることです。指をたくさん使うお仕事や、指先に強い力が加わるような動作は、関節に負担をかけて、症状を悪化させることがあります。

ヘバーデン結節が悪化する理由とは

ヘバーデン結節の主な治療

ヘバーデン結節の症状を和らげ、日常生活の質を向上させるため、症状の進み具合やその人の状態に合わせた治療が行われています。

治療は「保存療法」と「手術療法」に大きく分けられます。保存療法には、「運動療法」「テーピング」「装具療法」「薬物療法」が含まれます。これらの中から、患者さんごとに適切な治療を選択することで、症状の緩和を目指します。治療の目標は、痛みを軽くすること、関節の働きを維持・改善すること、日常生活の質を向上させることです。

1.保存療法

運動療法

薬物療法

指の機能を維持・改善するため、専門家の指導のもと、次のような運動療法が行われます。

  • 運動療法:指の曲げ伸ばし運動(グーパー運動)、握力強化のための握り込み運動(柔らかいボールを握るトレーニング)などです。多くの医療機関で積極的に取り入れられています。
  • 日常生活動作訓練:理学療法士や作業療法士などの専門家が、患者さんの症状に応じた適切なプログラムを組みます。継続的な取り組みが症状改善につながります。痛みが強いときは無理をせず、炎症が落ち着いてから、痛みの出ない範囲で行うことが大切です。

テーピング

薬物療法

指の関節を適度に固定し、負担を軽減するためにテーピングが用いられます。個人差はありますが、医療用テープを使用することで次のような効果があるといわれています。

  • 痛みの軽減:関節の動きを制限することで痛みを和らげます。
  • 変形進行の抑制:関節への負担を減らし、変形の進行を遅らせます。
  • 安定性の向上:不安定な関節をサポートし日常動作を楽にします。
  • 衝撃の緩和:不意に指をぶつけた際の「ズキン」とした痛みを和らげます。

症状や関節の状態に応じて適切な巻き方があり、強く巻きすぎると血行不良を起こすおそれもあります。正しいテーピング方法を医療従事者から学ぶことが重要です。皮膚の状態を定期的にチェックして、異常がないかを確認することも大切です。
長期間の連続使用は、関節が固まったり筋力が低下したりすることがあるので、医師の指導に従うようにしてください。

装具治療

薬物療法

指の関節を保護し、安定させるための装具が使用されます。テーピングと同様に個人差はありますが、固定力が強く、指への負担や痛みの軽減がより高まります。さまざまな種類があり、患者さんの状態に合わせて選択されます。

  • 既製品:市販されている一般的なサポーターのほか、布生地を使ったものや、金属を用いた固定力の高いものもあります。
  • オーダーメイド装具:個々の指の形状に合わせて作成される専用装具です。

プラスチック製や金属製の装具は、テーピングとは異なり、水に濡れても気にならないメリットもあります。より高い効果を得るためには、医師、理学療法士、作業療法士などの指導を受けて、患者さんそれぞれの指の形や症状に合ったものを作製・調整してもらうことが理想的です。
長期間の連続装用は、テーピングと同じ注意が必要ですので、医師の指導に従うようにしてください。

薬物療法

薬物療法

痛みや炎症がひどい場合には、薬での治療が行われます。主な目的は、「痛みを和らげる」「腫れを軽減する」「炎症を抑える」などです。
次のような薬が主に処方されます。

  • 外用薬(貼り薬/塗り薬):湿布、ゲル、クリームなど患部に直接貼る/塗る薬です。テーピングと組み合わせることもあります。
  • 内服薬(飲み薬):よく使用されるのは、非ステロイド性抗炎症薬などの痛みや腫れ、炎症を抑える薬です。症状が長引く場合は、別のタイプの薬が処方されることもあります。
  • ステロイド関節内注射:症状が重い場合、関節内にステロイド薬を注射することがあります。
  • サプリメント:女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きを持つエクオール(大豆イソフラボンの代謝産物)が注目されており、サプリメントとして利用されています。

いずれの薬も医師の指導のもとで適切な用法·用量を守ることが重要です。

これらの中でも、日常的に指を保護し関節に負担がかからないようにテーピングや装具療法を続けることが大切です。しかし、水仕事や手洗いなどを行うとき、テーピングでは面倒なことも少なくありません。そこで、水に濡れても気にならない金属製のヘバーデンリングという便利な装具もあります。

詳細はこちら

ヘバーデン結節が悪化する理由とは
医療機器届出番号:13B2X00187000020
 

2.手術療法

薬物療法

次のような場合には、手術を行うことがあります。

  • 保存療法では症状の改善が得られない場合
  • ミューカスシストを治療しても、何度も再発する場合
  • 変形した指の見た目を改善したい場合

ヘバーデン結節の手術にはいくつかの方法があります。どの手術を選ぶかは、症状の程度、ライフスタイル、手術に何を期待するか、などを医師とよく相談して決めていくことになります。

  • 関節包・骨棘(こつきょく)切除術:第一関節の両脇には、関節の動きを妨げ、痛みの原因になっている骨の出っ張り(骨棘)ができています。この部分を削って症状を改善し、関節の動きは残すことができる手術法です。ミューカスシストができている場合は、同時にこれも取り除きます。指の動きを失うことなく、見た目の改善も期待できます。
  • 関節固定術:痛みの原因となっている第一関節の骨を、ネジなどで完全に固定してしまう(くっつけてしまう)方法です。
    骨同士はやがてつながり、動かなくなりますが、痛みや腫れはなくなります。力を込めて物をつかんだり、瓶の蓋を回したりすることもできるようになります。見た目が改善するので患者さんの満足度は高いとされます。
  • 人工関節置換術:第一関節の表面を削り、シリコン製などの小さな人工関節を挿入する方法です。現時点では標準的な治療法ではなく、一部の専門施設でのみ実施されています。

その痛み、我慢しないで。
医師に相談を。

日本には手の疾患・障害のスペシャリスト「手外科専門医」がいます。ヘバーデン結節の治療でお悩みのある方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。
「手外科専門医」がいるお近くの医療機関は、以下のリンクからご覧いただけます。

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※日本手外科学会の承認を得てリンクを掲載しております

[監修]
金沢大学保健学類 作業療法学専攻 教授
金沢大学整形外科 手外科班
多田 薫 先生

その痛み、我慢しないで。医師に相談を。